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国際語エスペラントの語順と対格

ザメンホフ博士が考案した人工言語であるエスペラント。
ウィキペディアにエスペラント版があったり(結構充実している!)、グーグル翻訳でもエスペラントとの翻訳を扱っていたりと世界的に広く認知された人工国際語です。
エスペラントの学習本を読むと「対格」という文法用語が出てきますが、これは英語なんかでいうところの「目的格」に相当するものです。

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対格

“A cat catches a mouse.”でいうと、”A cat”が主語で”catches”が動詞で”a mouse”が目的語となって、「ネコがネズミを捕まえる」という文章になる訳ですね。
これを”A mouse catches a cat.”というようにネコとネズミの位置を入れ替えたら「ネズミがネコを捕まえる(!)」という全く反対の意味になります。
これは単語の順序によって、これは主語、これは目的語、だからこういう意味になるというルールが英語にある訳です。

エスペラントでは目的語を表すのに、単語に目的語を意味する語尾”-n“を付けて表現します。

“A cat catches a mouse.”はエスペラントでは”Kato kaptas muson.”となります。

わたし
わたし

エスペラントに不定冠詞はないので”A cat”は”Kato”になります。

エスペラントに”三単現のs”というような概念はないので”catches”は動詞の現在形そのままの”kaptas”を使います。

で、”a mouse”はエスペラントでは”muso”で、その対格は”-n“を付けた”muson“となります。
この”-n“付きの単語をあえて訳せば、”muso”は「ネズミ」なのに対して”muson“は「ネズミ」になります。

この”-n“を付けた「対格」という単語の形は目的語を表現するだけでなく、他の役割も担ってくれますが、私も勉強中なのでひとまずここまでにさせて下さい。

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語順

対格という表現があると面白いことができます。

英語で”A cat catches a mouse.”を表現するのに語順を変えて”A mouse catches a cat.”としてしまうと意味が全く変わってしまいますね。

エスペラントでは”Kato kaptas muson.”は語順を変えて”Muson kaptas kato.”としても意味は変わりませんし、”Kato muson kaptas.”としても大丈夫です。”Kaptas muson kato.”もイケますね。
対格”-n“で目的語を表現しているというのがミソです。
もちろん”Muso kaptas katon.”としたらネズミが主語でネコが目的語になってしまうので意味は変わってしまいます(笑)

エスペラントは人工言語なので味気ない単語と規則的な文法で組み合わされたコンピュータのプログラムのような文章しか記述することができず、ヒトが伝えたい細かなニュアンスを表現することができないと評されることが多いようです。
そういったニュアンスを表現する仕掛けはいろいろありますが、この対格もその一つなんだろうな、と思います。
それこそ語順で伝えたい側のニュアンスを表現することができますし、受け取る側もその語順からなんらかの意図(ニュアンス)を受け止めることが出来るからです。

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