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今後の配当額は増えるのかな? エクセルのLINEST関数で推測する

高配当株・ETFを持っていると、この配当金は増配傾向なのかな?減配傾向なのかな?今年はいくらを期待できるのかな?って気になりますよね。

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素朴な疑問

例えば米国高配当ETF・VYMの過去10年間の配当実績が下のようにあるわけです。

これを見て(見るからに増配傾向ですが…)、増配傾向なのか減配傾向なのか?
増配傾向としてどれ位の傾向なのか?
その傾向を踏まえると2022年はいくらを期待できそうなのか?

黙ってありがたく配当金を頂けばいいのですが、どうしても気になってしまうんですよね。

ひとまずグラフにしてみて、近似曲線の追加をしてみます。

近似曲線の書式設定で、「グラフに数式を表示する」にチェックを入れます。

するとグラフに最小二乗法で直線の近似線が引かれ、その近似線の数式も表示されます。
この例では、「y = 0.1696x + 1.4169」です。

ところがこの式がちょっと曲者。
xに2012を代入してみると、0.1696 × 2012 + 1.4169 = 342.6521 となってしまい、2012年の配当実績1.593ドルとはかけ離れた数字が出てきてしまいました。

近似線を考えるには何かコツがありそうです。

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LINEST関数を学んでみる

結論からいうとExcelのLINEST関数がグラフの傾きとy切片を計算してくれることが分かりました。

この関数はこちらのダイアログ画面に4つのパラメータをセットします。

結果として「傾き」と「y切片」の二つを返すので使い方が少々複雑です。
以下にガイドします。

【例①】 単純にx軸がデータの個数と同じ1,2,3,4,…のケース

  1. まず傾きの値をセットするC8セルを選択し、LINEST関数のダイアログ画面を開いて4つのパラメータをセットします。
    • 既知のy:y軸に表現したいデータ → C5:G5
    • 既知のx:x軸に表現したいデータ → C4:G4
    • 定数:→ true
    • 補正:→ false
    • C8セルに傾き 1.1がセットされる。
  2. y切片の値をセットするD8セルを、C8セルと一緒に選択し、数式バーをクリックし、Ctrl+Shiftを押したままEnterキーを押します。←この操作がこの関数使用のポイント
    • 数式バーには「=LINEST(C5:G5,C4:G4,TRUE,FALSE)」が表示されるが、Enterを押すと「{=LINEST(C5:G5,C4:G4,TRUE,FALSE)}」のように中括弧が付きます。この時にデータのセルが選択された表示になります。
    • D8セルにy切片 7.5がセットされる。
    • 傾きとy切片をセットする二つのセルを横並びにするのもポイントです。

xに 1 を代入してみると 1.1 × 1 + 7.5 = 8.6 となってグラフの近似線の位置と同じです。
グラフの近似線もこの計算結果と同じ y = 1.1x + 7.5 です。

【例②】 x軸がデータの個数と同じ1,2,3,4,…ではないケース

x軸の値をこの例のように「2018,2019,…」と変えると、結果は傾きが 1.1、y切片が ー2211 となりました。
xに 2018 を代入してみると 1.1 × 2018 ー 2211 = 8.8 となってグラフの近似線の位置と同じです。

一方、グラフの方の近似線は y = 1.1x + 7.5 という式を表示していますが、x=2018 の時には y=2227.3 とかけ離れた値になってしまいます。

グラフの近似線のy切片は、x軸を値ではなくてデータ個数で見たときの直線式になっていることが分かりました。

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LINEST関数を使ってみる

上の結果を踏まえてVYMの配当傾向をLINEST関数の結果から推察してみました。

  • 増配傾向なのか減配傾向なのか?
    • 近似線を見れば分かりますが傾きがプラスなので増配傾向ですね。
  • 増配傾向としてどれ位の傾向なのか?
    • 傾きが0.16964なので1年当たり0.17ドルの増配傾向と見て取れます。
  • その傾向を踏まえると2022年はいくらを期待できそうなのか?
    • x=2022とすると、0.16964 × 2022 ー 339.719 ≒ 3.29ドルになることが期待できそうです。
  • VYMの増配パワーと安定感はハンパないなぁ、ということが見えました。

将来を予測するにはいろいろな方法がありますし、この方法もあくまでごく簡単に直線で予想するとか、直線引いてみたら増えているのか減っているのか、といったことが分かる程度です。
とはいえエクセルでいろいろな銘柄の計算をしてみると面白いですよ。

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